【校長のひとりごと】1年生が体現する「幼小連携・接続」
このところ、「幼小連携・接続」に関係する会合に立て続けに出席し、いろいろと考える機会を多くもらっています。幼児期の教育から小学校教育への円滑な接続を図るために、相互理解を進める必要性をその都度感じています。

今や「ほとんどの幼児教育施設と小学校が相互に連携して取組を行っている」という成果の一方で、「行事の交流等にとどまり、学びの連続性を意識したカリキュラムの編成・実施が行われていない」などの課題があることが指摘されています。
ある日教室を廻っていると、1年担任があるものを見せてくれました。
ひらがなを習得した子が「あ、か、さ、た、な」で始まる単語を集め、文字と絵で表しています。
たどたどしくも、五十音を書ききることができました。
こちらは算数の勉強から気づきを得た子が、おうちでしっかりと書き込んで持ってきたとのこと、これもすばらしいですね。
これらはすべて、幼保小接続期の連携の手がかりとして数年前に文部科学省が策定した「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」のうたう「数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」につながるものだと率直に感じました。
そして何よりも目を見張るのは、押し付けられたり指示されたりしたのではなく、すべて自分から進んで取り組み、その姿を周りの友達が見て刺激を受け「自分もがんばろう!」と次々と伝播(でんぱ)していったことです。
今週も上の画像のように、1年生は1組、2組とも自発性、創造性を生かした活動に没頭する姿が見られましたが、これらの素地は幼児教育で培われた部分が決して少なくないと思います。
わたしたちは、とかく1年生を「すべての始まり」としてとらえ、「教えてあげなければ」「手をかけてあげなければ」と思いがちですが、子どもたちはこちらの想像以上に「自分でできる、やりたい!」という強い気持ちを持っています。そのやる気を尊重し続け大いに価値づけ、可能性を伸ばす教育を、1年担任はもとより全職員でめざしてまいります。
夏季休業中には、宍道みずうみ学園の全職員で幼児教育・接続と学力育成・向上の合同研修会に臨む予定です。