【授業風景から】5月21日(火)授業公開日(その2)
前回の続きで、21日(火)の授業公開日の模様を掲載します。今回は4年生以上の授業風景です。
【4年1組】
算数の学習で、2桁÷1桁の割り算の計算のしかたを考える場面を覗いてみました。72÷3が例題として挙げられています。
これまでは、例えば24÷3ならば割る数の3に着目し、「さんいちがさん、さんにがろく・・・」と、逆に掛け算を心の中で唱えながらいけば「さんぱにじゅうし、あ、8だ」と気づくこともあったのですが、「今回は3に9をかけても27までしか行かないね。とてもじゃないけど72まで到達しない・・・。どうしたらいいかな?」と投げかけ、思考を促す担任の発問の妙が見られました。
【4年2組】
道徳の授業が行われ、「『正直』五十円分」というタイトルのお話について子どもたちが考え議論していきました。
ーーーおつりを多くもらった「たけし」が正直におつりを返しに行く姿を通して、自分から正直に行動するために大切なことについて考えさせ、自分自身を偽ることなく、明るい心で伸び伸びと過ごそうとする心情を育てることに主眼を置いた授業が展開されました。
人はだれでも、すぐに態度を改めたり心情を高めたりすることは難しいものです。したがって、ほんの一つのきっかけに過ぎないかもしれませんが、"良心に従って正直な行動を選択することは自分がすがすがしいな。明るく生きていくためにとても大切なことなんだな。"という思いを今日の授業を通して心に抱いてくれればな、と思いました。
この授業は初任者研修の実践研修としても位置付けており、指導教員の温かいまなざしの下で初任者が笑顔で授業を展開する様子が見られました。
【5年1組】
昨年度の全国学力・学習状況調査の算数において、「いす4脚の重さを測ると7kgでした。このいす48脚の重さは何kgですか。求め方を式や言葉を使って書きましょう。また、答えも書きましょう。」という調査問題があり、知事も記者会見の中で取り上げられたことは広く知られています。
この時間も、この調査問題を彷彿(ほうふつ)とさせる「1リットルの砂の重さが1.8kgの時、この砂0.3kgの重さはいくらになるか」という学習問題に向き合う子どもたちの姿がありました。数直線を描いて思考を整理したり、友達と思考を交換・共有したりする姿が見られ、数学的思考を育成する上で大切な時間となりました。
【5年2組】
理科「植物の発芽と成長」の一環として、発芽に必要な条件を考える授業が展開されました。
以前、隣の1組でも同じ場面を観ましたが、水、土、栄養、空気、・・・と発芽に必要な条件を次々と考える子どもたち。なかには「時間」というユニークな、しかし「なるほど、たしかに発芽するまでにはある程度の時間がかかるよな」と妙に納得させられる発言も飛び出し、何度観ても発芽の条件を考える学習は面白いな、と感じました。
そして、授業者と子どもたちがお互い笑顔で、また、明るく柔らかな雰囲気の中で学習が進められていることをなによりも嬉しく思いました。
【6年1組】
算数の学習で、文字を使った式について学習する子どもたちの様子を観ました。x、y、zの3つの文字それぞれに偶数を当てはめ、その和が100になるにはどんなパターンが考えられるかを担任が問い、子どもたちが次々と答えていきました。
抽象的な思考が発達した高学年であっても文字式に若干の難しさや抵抗を感じる子がいるかもしれません。しかし、こうして子どもたちから自由に思考を引き出し認めることで、それらの抵抗感を軽減しようとする担任の意図を感じることができました。
【6年2組】
子どもたちの手元にはタブレット端末が置かれ、電子黒板に投影された各々の考えを丁寧に確認する担任の姿がありました。
見ると、短冊状に「平和の実現」「安心なくらし」「自然災害を防ぐ」などの項目があります。どうやら、子どもたちはそれらを重要と思う順に優先順位付けをして、なぜそう考えたのか意見を述べていることがわかりました。
こうして、大人であっても考えが分かれる課題に子どもたちが向き合い、選択の機会を与えられ意見を表明できることは、"正解のない世の中"といわれる今の時代にあって極めて意義あることと感じました。