二十四節気の一つ「雨水 (うすい)」は、概ね2月19日から3月4日頃を指すそうです。

 ーーー立春から雨水へと変わり本格的な雪解けの季節となりました。 この頃になると厳しい寒さも和らいで、降る雪は雨へと変わり、深く積もった雪も解け始めます。 雪解け水が大地や田畑を潤し川や湖に張っていた氷も水に戻り、ようやく春の足音が聞こえ始めます。」

 そんな解説を読みました。明日からの三連休は積雪も予想されます。早く上の解説のように春の訪れを実感したいものですね。

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 さて先週、全国の小学校長会があり出かけてきました。

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 全国各地の校長との協議や意見交換は毎回多くの示唆を得ることができますが、今回特に心に残ったのは、文部科学省初等中等教育局主任視学官の田村学氏による講演でした。

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ーーー新しい学習指導要領の改訂を目前に控え、現在、授業改善の視点として据えている「主体的、対話的で深い学び」だが、各方面からは「深い学び」がイメージしにくいと言われている。日々の授業レベルで心がけるべきは、徹底した「活用・発揮(アウトプット)」、つまり、あらゆる手立てで音声言語や文字言語で表出させることを心がけたい。もちろん、知識や技能の習得(インプット)も必要だが、だらだらと長く話すのではなく、教師は、より的確、シャープ、スリム、コンパクト、スマートに語るべき。

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 なるほど、なるほど、と繰り返し深くうなずきながら聴かせていただきました。そういえば、先週行われた5年2組の理科の授業にもその理念が生かされていることをふと思い出しました。

 自然界での水のすがたについて学んでいるこどもたち。この時間は、前の時間にこどもたちから挙がった「水を温めたときに見られる湯気や泡の正体は何?」という疑問を解明していこうとする興味深いものです。

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 各グループでは再度水を温め、目の前で起きる現象をつぶさに記録しようとアクションを起こします。実験を通して「気づき」を得る、つまり"インプット"の場面です。

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 「さあ、どんなことに気づいたかな?」・・・指導者の新宮先生が思考の表出を促します。つまり、"アウトプット"の場面ですね。

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 ここで指導者は「そうだね、そうだね」と、ただ受容するのではなく、「湯気の正体と水蒸気とはどんな関係があるのか、それも含めて、いくつかの実験器具を使いながらわかったことを出し合ってごらん。」と、さらに深い思考を促す発問で、より深い気づきを求めます。

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 「冷たいビーカーに立ち昇る湯気を当ててみよう」「あ、ビーカーの内側に湯気が付いた!」「水蒸気なら目には見えないはずなのに、なぜ見えてるのかな?」

 ーーーこどもたちは実験を通して、様々な気づきを自分の中に持ち、さきほどよりも探究する意欲の高まりを感じさせます。

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 水は蒸発して、目に見えない姿になって上昇していくことを、上にかざしたビーカーに水滴が付くことで確認したこどもたち。「たしかにビーカーはこの冬の寒さでキンキンに冷えているから、熱い水蒸気が冷やされて目に見える形に戻ったんだ!」と、自分たちの力でこの時間のまとめを導くことができました。

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 田村主任視学官の講話は決して固いものではなく、全国あまたの学校で今日、今この瞬間行われている授業の営みをずばり突かれたものだったのです。だからこそすっとお話が入ってきたのだと気づくとともに、そうした語り手になりたいと率直に思った次第です。

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◆2月19日(水)の給食

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○ご飯 ○牛乳 ○豚れんこん ○ポテトサラダ ○吉野汁

<ご家庭で補っていただきたい食品群> 海藻、豆類

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